「しんぶん赤旗」2021/8/20
諫早湾干拓差し戻し審進行協議
 長崎県の国営諫早湾干拓事業で、潮受け堤防排水門の開門を強制しないよう国が求めた訴訟の差し戻し審の進行協議が18日、福岡高裁(岩木宰裁判長)でありました。協議は非公開。

 国は「開門の余地を残した和解協議の席に着くことはできない」と話し合いを拒否。漁業者や弁護団は「議論に応じないなど許されない」と国の態度を厳しく批判しました。進行協議後の報告集会で弁護団が明らかにしました。

 弁護団によると、高裁は進行協議で国に対し▽漁業者側が提案している今後の審理の進め方に対しての見解▽開門しない前提での国としての具体的な解決策―の2点について次回進行協議(9月22日)の1週間前までに回答するよう求めました。

 国は、高裁が4月に提案した和解協議に関し、7月30日付で「非開門で基金による解決が最良」とし、「開門の余地を残した和解協議」を拒む意見書を提出しています。協議の席で弁護団が議論を求めても国は「意見書に書いてある通り」との回答に終始したということです。

 報告集会で馬奈木昭雄弁護団長は「議論に応じない国の態度はおかしいと声を広げていこう」と呼びかけました。

 弁護団で日本共産党の仁比聡平前参院議員は「和解協議による解決を必ず勝ち取っていかなければ」と力を込めました。