「しんぶん赤旗」2021/5/28
諫早湾干拓問題 市民団体が長崎県に申し入れ
 「諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センター」と「『よみがえれ!有明海訴訟』を支援する長崎の会」は27日、中村法道知事に宛てて諫早湾干拓事業での福岡高裁和解勧告を重く受けとめ、話し合い解決に努力することを求める要望書を提出しました。

 要望は、同事業を巡る差し戻し審で、福岡高裁が話し合いによる解決の外に方法はないとして、国の主体的・積極的関与を求め、和解勧告(4月28日)をしたことを受けたもの。

 県はこれまで、「開門するかしないか、二者択一の問題で、話し合いで調整することは厳しい」と話し合い解決に背を向けてきたと指摘。知事は、全面的解決に重い責任を負っているとして「これまでの姿勢を転換し、問題解決に向け各方面へ積極的に働きかけていくこと」を求めました。

 要望書提出後の記者会見で「長崎の会」の本田純一事務局長は、「国の姿勢をどう転換させるのか。私たちの運動の広がりにかかっている。話し合いで解決していこうという声を広げていきたい」と語りました。

 「共同センター」の大島弘三事務局長は「県は、これまで開門派の市民とは話をしないとの頑なな態度を取り続けている。改めるべきだ」と述べ、宮地昭代表は「豊かな有明海を取り戻すのが私たちの任務」だと強調しました。