「しんぶん赤旗」2021/8/29
長崎県保険医協会 「被爆体験者に手帳を」署名活動
 長崎県保険医協会は、「黒い雨」訴訟の広島高裁判決で、菅義偉首相が上告を断念し、84人の原告全員に被爆者健康手帳を交付したことを受け、署名運動に取り組んでいます。国が定めた地域外にいたため被爆者と認められていない長崎の「被爆体験者」にも被爆者健康手帳を交付するよう国などに求めるものです。期間は9月末まで。1万人分が目標。

 同協会はこれまで、残留放射能の調査など、被爆体験者をめぐる様々な問題で支援を続けてきました。署名では、長崎の被爆体験者も原爆の黒い雨や灰を浴び、事情は広島と全く同じだと指摘。1日も早くすべての被爆体験者を被爆者と認定し、被爆者健康手帳を交付するよう求めています。

 同協会の本田孝也会長は「菅首相は、広島では『同じような事情の方についても救済を検討する』としたが、長崎の被爆体験者には『裁判の行方を注視する』とのあいまいな態度。国のあんまりな仕打ちに、協会としては黙っていることはできない」と語りました。

 同協会のホームページにオンライン署名サイトが設置され、署名用紙のダウンロードもできます。集まった署名は菅首相と田村憲久厚労相、中村法道知事、田上富久市長に送ります。