「しんぶん赤旗」2021/11/30

「長崎被爆地域拡大協議会」が県と市に要望

 国が定めた地域外で被爆したために被爆者と認められていない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」(峰松巳会長)は29日、中村法道知事と田上富久市長宛てに、30日に開かれる被爆者認定制度改正に向けた厚労省との第1回正式協議で、長崎の被爆体験者問題も協議するよう求める要請書を提出しました。

後藤茂之厚生労働大臣が26日の記者会見で、同協議では長崎の「被爆体験者」の救済まで含めていないとの考えを示したことを受けたもの。広島の『黒い雨』裁判の判決を受け、厚労省は被害者救済に向け、被爆者認定制度を改正し、来年4月からの運用開始を目指しています。

要請書では①2002年度被爆体験者制度創設時にさかのぼって被爆者と認定すること②爆心地から半径12㌖内の地域を原爆被爆地域に拡大すること―などを会議の場で協議するよう要請しています。

 県への要請には4人が参加。茂木地区で被爆した中橋光義さん(85)は、原爆投下時、母親とともに10㍍ほど飛ばされ火傷も負ったと述べ、「母が死んで初めて、死因は原爆のせいだと分かった」と悔しい思いを語りました。

山崎敏朗・原爆被爆者援護課長が要請書を受け取り、「長崎にも雨と灰が降った地域があり、広島と同じ事象ではないかと国に説明し協議したい」と答えました。