「しんぶん赤旗」2021/11/19

被爆者健康手帳交付を求める講座2回目

 国が定めた地域外にいたため被爆者と認められていない長崎の「被爆体験者」らでつくる、長崎被爆地域拡大協議会は18日、広島の「黒い雨」訴訟での判決を受け、すべての「被爆体験者」に被爆者健康手帳交付を求める講座の第2回を、リモートも併用し長崎市内で開きました。

山本誠一事務局長は、「被爆体験者」の鶴武さんと林田富雄さんから聞き取った証言を報告。2人とも黒い雨に打たれ、体やシャツが真っ黒になったと話し、「広島と同じ黒い雨に遭遇した事実は消えない」と国に被爆者と認めるよう求める署名に懸命に取り組んだ様子が語られました。

 2015年に長崎民医連が同会と共同で「被爆体験者」193人の証言を聞き取り、非被爆者152人を比較した「被爆地域拡大証言調査」について、長崎民医連の松延栄治事務局次長が報告しました。被爆後の急性症状やその後の健康状況では、多くの面で被爆体験者が高い値を示しており、『被爆体験者』が被爆者なのは明らかだと指摘しました。

 全ての「被爆体験者」に速やかに被爆者健康手帳の交付を求める署名を呼びかけた県保険医協会の本田孝也会長は、集まった2万人を超える署名を10月、県・市と厚労省に提出したと報告。「広島高裁の判決では、原告は黒い雨や灰を浴び内部被爆による健康被害を受ける可能性があった」としており、「長崎の被爆体験者もすべて含まれる」と述べました。