「しんぶん赤旗」2021/9/11
「被爆体験者」の認定・救済を求める意見書を全会一致で可決
 長崎市議会は10日の本会議で、国が定めた地域外にいたため被爆者と認められていない「被爆体験者」の認定・救済を国に求める意見書を全会一致で可決しました。意見書は、菅義偉首相らに送付しました。

 菅首相が、広島の「黒い雨」裁判の広島高裁判決で上告を断念。被爆者健康手帳を原告全員に交付し、同じ事情にあった人々の救済も検討すると言及したことを受けたもの。

 意見書では、長崎でも広島の黒い雨体験者と同じく、被爆地域の外にいたものの、多くの疾病と原爆による放射性降下物による健康影響への強い不安を抱え、今なお苦しみ続ける被爆体験者がいると指摘。しかし、菅首相は長崎の被爆体験者について「訴訟が継続中なので行方を注視する」と述べるにとどめ、具体的な救済策が何ら示されていないと批判しています。

 国に対し、高齢化が進む長崎の被爆体験者についても認定・救済をと要望。▽長崎の被爆体験者も広島と「同様の事情」にあるものとして、造血機能障害など11の障害の内、一つでもあれば、被爆者援護法に該当するとし、被爆者として認定すること▽被爆者援護法に基づく指針の改定に際しては、長崎県、長崎市の状況も十分反映する必要があり、国と4県市との協議に際しては、広島県、広島市と同様に、当初から長崎県・長崎市も加えること―を求めています。