「しんぶん赤旗」2021/8/9
長崎きょう被爆76年 「被爆体験者」にも手帳交付を
 長崎は9日、米国による原爆投下の惨禍から76年を迎えます。
 長崎市松山町の平和公園では、市主催の平和式典が行われます。原爆が投下された午前11時2分、鐘の音に合わせ黙とうし、犠牲者を追悼します。新型コロナウイルス感染拡大の収束が見通せないなか、昨年に続き縮小しての開催です。

今年1月、核兵器禁止条約が発効。被爆者と市民は「核兵器の終わりが始まった」と喜びの声をあげ、日本政府に対し条約参加に舵を切るよう強く求めています。

広島高裁での「黒い雨訴訟」で国が上告を断念し、原告全員に被爆者健康手帳が交付されたことは、国の定めた被爆地域の外にいたために被爆者と認められていない長崎の「被爆体験者」を大いに勇気づけました。中村法道知事と田上富久市長は国に対し、長崎でも被爆者の認定対象を拡大するよう厚生労働省に要望。90歳を超える「被爆体験者」もいるなかで、一刻も早い被爆者健康手帳の交付と被爆地域の拡大が求められています。
 この1年で新たに亡くなった長崎の被爆者は3202人。原爆死没者はあわせて18万9163人となりました。