「しんぶん赤旗」2021/4/20
長崎市と県「被爆二世健康記録簿」発行で説明会
 長崎市と県が、被爆2世の健康管理に役立てるための「被爆二世健康記録簿」(記録簿)を6月から発行することを受け、長崎被災協と「被災協被爆二世の会」長崎・諫早は17日、長崎市内で市の担当者を迎え説明会を開きました。被爆2世や被爆者ら約20人が参加。担当者が詳しい内容を紹介しました。

 国は昨年12月に各都道府県と広島市、長崎市にひな型を提示し、長崎では県と市が発行します。記録簿には、2世健診の結果、本人の既往歴、現病歴、親の被爆状況などを2世自身が記入します。対象は2世健診受診者のうち希望する者となっています。

 被爆2世らは、これまで日本被団協の国への要請行動にともに参加し、がん検診の追加、健診結果を記録する手帳の発行などを求めてきましたが、今回記録簿として実現しました。

 現在、被爆者には「被爆者健康手帳」が交付され、医療費の給付が受けられますが、その子どもである2世に医療費給付はありません。

 「被災協被爆二世の会」長崎の佐藤直子会長(56)は、何度も厚労省に足を運び、やっと実現したと語り、「全国には2世への医療費助成制度がある自治体もあり、同じ2世で、あるところとないところがあるのはおかしい。本来国がやるべきことで、これを足がかりに活動を広げ、2世の医療費助成も実現していきたい」と話しました。

 参加した被爆2世の女性(58)は「いずれ被爆者が亡くなり、2世の時代になった時、3世の人たちに対し何ができるのかと考えている。記録簿発行を次なる一歩につなげたい」と語りました。