「しんぶん赤旗」2021/11/5

「BSL4施設計画の差し止めを求める会」追加訴訟を提起

「BSL4施設計画の差し止めを求める会」(山田一俊代表)は4日、長崎大学がエボラ出血熱など危険度の最も高い病原体の動物実験施設「バイオセーフティレベル(BSL)4」を、住宅密集地にある同大医学部キャンパス(長崎市坂本町)で稼働させようとしていることに対し、追加の訴訟について記者会見しました。

施設は7月30日に同大学に引き渡され、今年度内に整備。来年度から試験運転に入り、厚生労働大臣の指定を受けるとしています。

現在、同会は「BSL4施設の基本構想中断」と「BSL4情報公開」の2件の訴訟を係属中。島村英紀・武蔵野学院大学特任教授の「本件施設から1㌖ほどの所に小江原断層が確認され、直下型地震の震源とならない保証はできない」との意見を裁判所に提出しています。

同会の山田代表は、近隣住民ら55人が原告となり「厚生労働大臣に対し長崎大学にBSL4施設指定をしないよう求める訴訟」と「長崎大学に対し稼働差し止めを求める訴訟」2件を準備していると報告。地質学、地震学などの研究者による現地調査などの費用は、クラウドファンディングで募っています。

山田代表は「熊本地震の4分の1から5分の1の揺れでも大変なことになると指摘されている。住宅密集地に造るべきではない」と語りました。