「しんぶん赤旗」2021/7/31
BSL4稼働許されぬ 住民らが抗議の声 
 エボラ出血熱など危険度が最も高い病原体を扱う「バイオセーフティレベル(BSL)4」施設が、長崎大学医学部キャンパス(長崎市坂本)に完成することを受け、「BSL4施設計画の差し止めを求める会」(山田一俊代表)は29日、市役所で記者会見し「安全の保障のないBSL4を住宅密集地で稼働させることは許さない」と抗議の声をあげました。

 施設は30日に建物が竣工(しゅんこう)。来年度から試験稼働に入ります。

 周辺住宅や市民でつくる同会は、長崎大学の河野茂学長に宛てた「住民を徹底的に無視したBSL4施設建設強行に抗議する」との文書を29日に送付。会見では、早ければ8月にも稼働差し止めを求めて原告50人以上で長崎地裁に提訴することを明らかにしました。

 山田代表は「工事がスタートする前から、住宅密集地に造るのは危険だと訴え、書面で質問を出したが大学からは何の回答もなかった。私たちの意見を無視して建設を進めた大学に対して強く抗議したい」と述べました。

 大学近くの江平町に住む清水秀紀さん(70)は、自宅から5階建ての施設が見えるといい「排気ダクトからウイルスが漏れれば、この辺一帯もかなり影響を受ける。建設反対の署名は1万8000人分集まったのに、大学は横暴すぎる」と批判しました。