「しんぶん赤旗」2020/2/19
長崎市性暴力訴訟をめぐるヤジ発言 議員の特定と謝罪を

 2007年に長崎市の男性部長(故人)から取材中に性暴力を受けたとして、女性記者が市に損害賠償と謝罪を求めている訴訟をめぐり、昨年7月、長崎市議会でこの問題を質疑中に議員席から「被害者はどっちか」などのヤジが飛びました。

 被害女性の弁護士4人と新聞労連の南彰執行委員長は、ヤジを飛ばした議員の特定と謝罪などを佐藤正洋議長に求めていましたが、回答は「発言した議員が特定できなかった」という無責任なものでした。

 これに対し弁護団らは昨年12月、被害女性の「私のどこが加害者だというのですか」との悲痛なメッセージを紹介し、あらためて▽ヤジを飛ばした議員の特定▽議員本人の謝罪、および市議会としての謝罪▽長崎市に対して、被害者の早期救済を働きかけること―を求めていました。

 佐藤議長は、各派代表者会議などで協議した結果として、「発言したと思われる議員に確認したが強く否定し、断定までに至らなかった。議員個人の不規則発言に対して市議会として謝罪の必要はないとの意見が多数を占めた。早期救済の働きかけについては、係争中であるため回答は差し控える」と2月10付の文書で回答しました。

 日本共産党の内田隆英市議団長は「本人が否定しても議会でヤジがあったのは事実であり、被害者の尊厳を傷つけるもの。議会としても謝罪すべき」だと語りました。