「しんぶん赤旗」2020/3/11
長崎市男性部長による性暴力裁判弁論
 2007年に長崎市の男性部長(故人)から取材中に性暴力を受け、その後市幹部によって虚偽のうわさを流され二次被害を受けたとして、女性記者が市に対し、3500万円の損害賠償と謝罪を求めた訴訟の第5回口頭弁論が9日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)でありました。

 女性側は、虚偽の噂の発信源で加害者と最も親しかったという当時の会計管理者の男性の証人尋問を求めました。23日の進行協議で証人とするかどうか決まります。会計管理者は、男性部長と女性が「男女の関係にあった」などの虚偽の噂を流し、週刊誌に一方的な情報を提供。虚偽の情報が週刊誌やインターネットでふりまかれました。

 市側は文書で、女性記者に対する性暴力について、犯行時間は深夜で場所も庁内ではなかったことやその経過から公務とは関連していないと主張。二次被害を防止する責任についても争うとして、市の責任を明確に否定しました。

 弁護士は「女性に対する暴力根絶のための法令遵守意識がこんなに低く、暴力を『なかったこと』にする行政が今どきあるのでしょうか。あぜんとした」との女性の意見陳述を代読しました。

 弁論後の報告集会で新聞労連の南彰委員長は「加害者に並んで罪深い人物の尋問があり、山場を迎える。引き続き皆さんと一緒に勉強しながら続けていきたい」と語りました。