「しんぶん赤旗」2020/11/10
ピースカフェ開催 〜県内の戦争遺構から学ぶ〜
 ながさき平和委員会は、ピースカフェ「県内の戦争遺構から学ぶ〜東彼杵郡川棚町編」を10月30日、長崎市内で開きました。

 川棚町には、1942年に設置された川棚海軍工廠跡(百津地区)をはじめ、魚雷発射試験場跡(片島)、魚雷艇訓練所跡(小串郷)など、海の特攻部隊の施設が集中しています。

 平和委員会世話人の川尻瑠美さんは、当時魚雷艇訓練所では、特攻艇「震洋」、人間魚雷「回天」、人間機雷「伏龍」などの訓練が行われ、特攻作戦により亡くなった全員の氏名が刻まれた「特攻殉国の碑」(新谷郷)が建てられていることなどを説明しました。

 冨塚明事務局長は、「伏龍」について紹介。兵士が潜水具を着用し、棒付き機雷(5bの棒の先に爆弾を装着)を手に、海の底から船をついて撃沈させるというもので、浮かび上がらないように鉛のわらじを履いて歩いている写真を示しました。

 終戦で、出動にはなりませんでしたが、配布された資料には「訓練中も事故や死亡者が多く、実戦に用いられても成功する可能性はなく当時の首相すら実戦使用に反対していた」と記されています。

 参加者からは、「伏龍の計画のずさんさと、それに動員された若者たちが本当にかわいそうだと思う。日本の戦争の愚かさがわかる遺跡だ」など感想が語られました。