「しんぶん赤旗」2020/5/22
長崎市の性暴力裁判で証人尋問 元市幹部職員が証言
 2007年に長崎市で取材中、当時の市原爆被爆対策部長(故人)から性暴力に遭い、虚偽のうわさの流布などで二次被害も受けたとして、女性記者が市に対し損害賠償と謝罪を求めた訴訟の口頭弁論が18日、長崎地裁(天川博義裁判長)で開かれました。

 「女性と部長が男女の関係にあった」などの虚偽のうわさを流し、週刊誌に一方的な情報を提供したとされる元市会計管理者の男性への証人尋問が行われました。

 元会計管理者は、女性が訪ねてきて「部長と関係を持った」と言ったと証言。しかし、その話を聞いた日付や内容が聴取された日によって違っており、そのことを指摘されると「わかりません」と不誠実な答弁に終始しました。原告側の中野麻美弁護士は「女性は強く否定している。女性が訪ねてきたというのはうそではないか」と質しました。

 市の報告書にある、自分も女性に性的に誘われたとの元会計管理者の発言について「そんなことは言っていない」と否定。元会計管理者の発言は、信ぴょう性が疑われることが明らかになりました。

 この日、原告の女性記者も遮蔽措置をして出廷しました。

 弁論後の記者会見で中野弁護士は「虚偽にまみれた証言で、きちんとした説明もなされなかった」と指摘しました。