「しんぶん赤旗」2020/12/16
石木ダム工事差し止め訴訟 控訴審第2回口頭弁論
 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム事業で、地元住民らが、県と同市に工事差し止めを求めている訴訟の控訴審第2回口頭弁論が10日、福岡高裁(矢尾渉裁判長)でありました。

 住民側は、自分が選択した土地で継続的かつ平穏に生活を営む「平穏生活権」が石木ダム工事によって侵害されていると主張。代理人の鍋島典子弁護士が意見陳述しました。

 東京電力福島第1原発事故の集団訴訟で、福島地裁、仙台高裁が、原告らが主張した「平穏生活権」を認めた判決を引用しながら、「家、土地を奪われ、それまでの日常生活が奪われるという点で水没予定地に暮らす住民も福島の原告らと同様だ」と訴えました。

 治水については、緒方剛弁護士が、ダムによる治水の問題点などを指摘しました。

 弁論後の報告集会で馬奈木昭雄弁護団長は「国民の権利を守る。これは絶対に譲れない問題。石木のみなさんの生活を守るというのは、自分たちの生活を守ることになる」と力を込めました。

 地元住民の岩下和雄さん(73)は「毎日現場で座り込みを続けていて精神的にも限界に来ている。不必要なダム建設は早く止めて元の生活に戻して欲しい。この裁判に勝利したい。ぜひお力添えを」と訴えました。