「しんぶん赤旗」2020/12/12
石木ダム建設 工事現場に続く道に柵をはり妨害
 長崎県と佐世保市が同県川棚(かわたな)町に計画している石木ダム建設事業で、県はダムが完成すれば沈んでしまう県道の付け替え工事を強行しています。地元住民と支援者は、工事の中止を求め、抗議の座り込みを続けています。工事が進まないことに焦りを感じている県は11日、工事現場に続く道路に住民らが入れないよう柵を設置。住民と県職員が対峙し、一時騒然となりました。

 「これが知事の意向なら、言うこととやることが違う」。―水没予定地に暮らす石丸勇さん(71)は憤りの声を上げました。

 中村法道知事は3日の県議会で、日本共産党の堀江ひとみ県議の「一旦工事を中断し地元住民と話し合いをする考えはないか」との質問に「真意を確かめ、検討したい」と住民との話し合いの可能性を示唆していました。その舌の根も乾かないうちの暴挙です。

 工事現場では、普段は10人ほどの県職員が約30人待機し、3台の重機を入れて土砂を投入しようとしていました。住民らは、重機のまわりに座り込んで抗議し、工事を中止させました。

 地元住民の岩本宏之さん(75)は「圧力をかけ、喉元に短刀突き付けて話し合えとはならない。私たちは引き下がらない。徹底的にたたかう」と力を込めました。

 知らせを聞いて駆けつけた、日本共産党長崎県委員会の山下満昭委員長は、住民や支援者に「県のやり方は人として許されない。大義はみなさんにある」と激励しました。