「しんぶん赤旗」2020/3/3
佐世保市で石木ダム緊急市民集会
 長崎県と佐世保市が計画する石木ダム(川棚町)建設事業について、利水面での再評価をする同市上下水道事業経営検討委員会が事業継続の答申を出したことを受けて1日、建設に反対する「石木川まもり隊」ら3団体は佐世保市内で緊急市民集会を開きました。約130人が参加しました。

 「水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表が講演。「市が水需要が急増するとの予測を続ける理由は、石木ダムの必要性を作り出すためで、架空予測」だと指摘。一方、節水機器の普及などによる1日最大給水量の減少や、市による保有水源の恣意的な過小評価などを示し、「実際の水需要は十分な余裕がある」と強調しました。

 ダム建設予定地の住民の岩下和雄さん(72)は市のでたらめな報告を批判。「県からは毎月のように土地や家屋を明け渡すようにと文書が来る。私たちは、ダムを白紙にしてそこで生活を続けていきたい」と支援を訴えました。

 集会では宣言を採択。人口減少するとしながら給水量は増えるという異常な水需要予測を批判し、「今も石木ダムは存在していないが、何の被害も受けていない」と指摘。「専門家による分析を再度行い、客観的・科学的な資料に基づいた公正・中立な再評価委員会での審議のやり直しを求める」としています。宣言文は2日、市水道局に提出しました。