「しんぶん赤旗」2020/3/14
石木ダム問題で美大生が展覧会
社会問題をアートで表現する
 社会問題をアートで表現するグループが、長崎県と佐世保市が川棚町に進める石木ダム建設をテーマに長崎県美術館・運河ギャラリーで展覧会を開いています。(15日まで)

 展覧会を開いているのは、東京芸術大学美術研究科の岩崎広大さん、亀倉知恵さん、西尾佳那さん、武蔵野美術大学芸術文化学科の古家那南さんの4人。石木ダム建設予定地の川原(こうばる)に住み続ける人々を描いたドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」を見たことがきっかけでした。

 昨年8月から月に1度川原に通い、半年前からは西海市雪ノ浦に住み込んで取材と制作を続けました。

 会場には、川原の風景が様々な人の目に触れるようにと、現地の木の葉に風景をプリントした作品や、「県の主張と住民の権利」など、ダム建設を巡る様々な見えない壁を川原に群生するセイタカアワダチソウで表現した作品など、7点が展示されています。

 現地での抗議行動を写真で表現した西尾さんは「取材をする中で、コミュニティが分断されていることに心が痛みました。若い人の中に石木ダムについて知らない人が多いこともわかり、この展覧会がダムについて考えるきっかけになれば」と話しました。

 メンバーは引き続きこの問題を取材し、いずれは佐世保市と東京都でも展覧会を開きたいと考えています。