「しんぶん赤旗」2020/7/2
長崎被災協 爆心地公園でアートプロジェクト
 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)は、7月中旬から8月にかけて、長崎市の爆心地公園の地面に、被爆者の声紋を描くというアートプロジェクト「声紋源場」に取り組みます。「長崎市被爆75周年記念事業」の一環で、経費の4分の3(上限額100万円)を市が補助します。

 描くのは、ドイツやメキシコを拠点に創作活動を行う芸術家の竹田信平さん(41)。長年にわたり、世界中の被爆者を訪ね歩き、生の「声」を収集してきました。

 「声紋源場」では、その「声」を声紋という形にして、環境に配慮した米粉の絵の具を使い、地面に描きます。そこに専用アプリをインストールしたスマートフォンをかざすと、被爆者の声を聞くことができるというものです。7月13日から制作を始める予定で、約1週間で完成。8月7日まで公開されます。

 「普段、何気なく歩いているその場所は、75年前、大変な被害と悲劇が起きた場所であるということを、新しい方法を使ってもう一度考え、思い起こす機会にしようとするアートプロジェクトです」と竹田さんは紹介しています。

 長崎被災協の田中重光会長は「若い人ならみんな持っているスマートフォンで、被爆者の声が聴けるというのは、新しい継承の形ではないか。初めての取り組みで大いに期待している」と語りました。