「しんぶん赤旗」2020/3/6
長崎市内の学童保育の現場 不安の中対応
 長崎市内の公立小中高校は、4日から休校となりました。学童保育の関係者は不安を募らせていました。

 市内で学童保育の指導員をしている女性は、「あまりにも突然でアンケートを取る暇もなく、何人の子どもたちが来るのか把握できなかった」と語ります。感染予防の対応策として急きょ、加湿器付きの空気清浄機を2台購入。品薄となっている消毒液もあちこち手分けして探し回り用意しました。これらの費用について補助金は出ないので、学童の予備費からの支出です。

 昼ごはんも手作りができないので、自宅から弁当持参か市販のお弁当です。おやつも手作りでしたが市販のものになり、普段より高くつくと話します。

 開所初日について、指導員の男性は「予想していたより子どもたちは少なく、落ち着いて過ごすことができました。多分、集団の中で過ごさせることに不安を感じた保護者が、祖父母にみてもらうなどしているのではないか」と語ります。

 別の学童保育の運営に携わる女性は、「国の目安では、学童保育の専用スペースの面積は児童1人当たり1・65平方bと狭い。そこでずっと過ごすということは、学童保育がかえって感染しやすい場所になってしまうのでは」と心配します。

 市からの通達では、「国の財政措置の見解が示されましたので、保護者から長時間開所にかかる追加料金を徴収しないようにお願いします。ただし、詳細については決まり次第お知らせします」となっています。女性は「そこをきちんと出してくれるのか不安があります。とりあえず必要な費用は学童から出しておかなければならない。ぎりぎりでやっているところは大変なのでは」と語ります。

 女性は言います「簡単に首相が『全国一斉休校』と言えば休みになるなんて、これからも何かあるごとにそういうことが平気で行われるようになるのではないか。根拠もなく、きちんとした判断の下でやっていないところも恐ろしい」と。