「しんぶん赤旗」2020/5/9
土曜人とき 長崎総合科学大学准教授・木永勝也さん(63)
 核兵器廃絶や被爆者援護などの運動に関する膨大な資料の調査を4月から進めています。長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)に保管されている1万点を超える資料のリスト作成やデジタル化に、数人の研究者らと取り組み、4〜5年かけて整理を進める予定です。

 「1950年代半ばから長崎で平和運動・被爆者運動が始まっていく過程を資料で確認できるようにしておくことが、今後の運動にも役立つのではないか」と語ります。

 きっかけは、大学が保管する長崎の被爆者渡辺千恵子さんの遺品の調査・分類を2016年から始めたことでした。渡辺さんの遺品には「長崎原爆乙女の会」の機関紙「原爆だより」創刊号(1955年)をはじめ、長崎と全国の被爆者運動や被爆者の証言など貴重な資料が多数残されています。

 他の分野の研究をしたいという思いもありましたが、資料を読み込むうちに「渡辺さんを中心に被爆者が歩んできた道を、記録をもとに描いていく作業をやらなければいけないのではないか」。社会的意味を感じ、長崎被災協の調査へと発展していきました。

 「被爆者の苦闘や歩みそういったものが資料の中に息遣いとして見て取れる。涙することもありますが、それが昔の資料を見る楽しみでもあります」

 ※関係資料を求めています(095・838・4468研究室まで)