「しんぶん赤旗」2020/1/30
BSL―4建設中止求め抗議と申し入れ
住民の声を聞こうとしない態度は独裁
 長崎大学医学部キャンパス(長崎市坂本)で、エボラ出血熱など危険度が最も高い病原体を扱う「バイオセーフティレベル(BSL)4」施設の建設開始から1年となった28日、「BSL4施設計画の差し止めを求める会」の代表らが同大に対し、建設中止と計画の撤回を求め申し入れました。

 同施設は、爆心地にほど近い住宅街に建設が進められ、周辺住民の多くが「不安がある」と反対の声をあげています。市内26自治体が反対を表明。これまでに2万人近い反対署名が集まっており、建設計画の中止などを求める訴訟も係争中です。

 申し入れでは「安全対策が未検証のまま見切り発車した工事を直ちに中止し、『長崎大学BSL4施設基本構想』を撤回すべき」との抗議文を同会の山田一俊代表が提出。大学としての回答と住民との対話の場を設けることを求めました。

 同会役員の清水秀記さん(68)は「反対運動に取り組んで6年。住民の声を聞こうとしない態度は独裁ではないか。民主主義国家の日本で許されていいのか」と訴えました。応対した二村英介副学長(BSL4施設設置計画担当)は「学長や関係者に伝えた上で検討する」と答えました。

 同大近くの平和町に住む女性は「研究自体を悪いとは言っていない。住宅密集地に造るのをやめてほしい。今生きている人の命の方が大事だと思います」と話しました。