「しんぶん赤旗」2020/8/7
41回ながさき8・9平和展
 原爆や核兵器、戦争を考え、平和を願う者の表現の場である「ながさき8・9平和展」(同企画委員会主催)が6日から、長崎市の長崎県美術館で始まりました。今年で41回目。9日まで。

 米国からの作品11点を含む182点を展示。幼児から90代までの絵画、立体、写真、デザインなど多彩な作品が並びました。

 田川明美さんの「風たちぬ」は、美談とされた「爆弾三勇士」や旭日旗などが描かれた戦時中の着物や帯を組み合わせた作品。足元に広げられた日の丸の旗は、特攻隊員だった父親のものです。田川さんは「この着物を見てかっこいいと言う若い世代もいますが、そうじゃないということを伝えたかった」と話しました。

 長崎市の鳥居節子さんの水彩画は、咲き誇るヒマワリとともに、両脇に書かれた「核はいらない」などの言葉が、真っすぐに胸に届く作品です。

 「8・9平和展」の松尾英夫事務局長は「毎年、被爆者にも出品してもらってきたが、次々と亡くなってしまった」と声を落としながら、「これからも、平和で戦争のない世界を願って続けていきたい」と語りました。