「しんぶん赤旗」2019/11/7
石木ダム担当課長が自然災害を「追い風」と発言 撤回と謝罪を申し入れ
 長崎県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業を巡り、県河川課の浦瀬俊郎課長が、石木ダム推進議員らの意見交換会で、多発する自然災害を(石木ダム建設に)「追い風」と発言していたことがわかりしました。先月30日、建設推進派の県議、佐世保市議、川棚町議らが開催した非公開の意見交換会でのこと。

 5日、浦瀬氏は記者会見し「発言は誤解を生み適切ではなかった」と述べ、「追い風」発言を撤回しました。しかし、謝罪は拒否。同席した県土木部の天野俊男次長は「非公開での発言で、国民全体に謝罪するというものではない」と語りました。

 発言を巡っては「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」(炭谷猛代表)ら6団体、日本共産党の議員も含む、約35人が同日午前、県庁で中村法道知事への抗議文を提出しました。抗議文は「全国各地で発生している災害を自らに有利な状況ととらえ、目的の失われたダム建設を強行しようとする認識の表れであり、いまだ災害に苦しむ全国の被災者を愚弄(ぐろう)するもの」と批判。発言の撤回と全国の被災者をはじめ国民に向け謝罪し、「石木ダム建設事業推進」を前提とした姿勢を改めることを求めました。

 日本共産党の堀江ひとみ県議は「災害を歓迎するような発言で許しがたい。今後厳しく追及していきたい」と語りました。