「しんぶん赤旗」2019/8/29
石木ダム問題公開討論開け 署名5万人超を提出

 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム問題で、中村法道知事と県議会議員に対し公開討論会の開催を求める署名に取り組んでいる「#いしきをかえよう実行委員会」は28日、署名数が目標の5万人を超えたことを受け、長崎県に署名を提出し、記者会見を行いました。

 同会が2017年、県民2500人に実施した石木ダムに関するアンケートでは約8割が「説明不足」と回答。署名は、「一度立ち止まって専門家の意見に耳を傾け、賛成・反対・中立の立場の人たちが公開の場で話し合うこと」を求めています。

 同会メンバーらは5万947人分の署名を県河川課の担当者に提出。浦瀬俊郎課長は、「裁判係争中に公開討論は好ましくない」と切りすてました。

 実行委員の一人でもあるアウトドア用品メーカー「パタゴニア」日本支社長の辻井隆行さん(51)ら6人が記者会見に臨みました。

 辻井氏は「仮に住民が強制的に排除されることになれば、この国の民主主義に大きな傷跡を残すことになりかねない。これだけ多くの声が集まっている中で事業は一旦止めてほしい」と語りました。

 ダム建設予定地の川原(こうばる)の住民と交流しているという高校3年の女子生徒(17)は「ダム建設によってそこに住む動物や人たちにも大きな影響が及ぶ。子どもにも大人にもわかるようにきちんと公開討論を開いて教えてほしい」と話しました。

 同会は、知事と全県議会議員に回答を求めることにしています。