「しんぶん赤旗」2019/8/24
非核の政府を求める長崎県民の会総会 国際署名広げよう
 非核の政府を求める長崎県民の会」は21日、長崎市内で第32回総会を開催しました。

 本田孝也代表常任世話人があいさつし、被爆者の大塚一敏(84)さんが記念講演をしました。

 戦後、原爆投下に対する非難の広がりを恐れた米国政府は、被爆を隠ぺいしようと、原爆症の後障害はあり得ないと公式見解を発表。救護所は閉鎖されました。大塚さんは「被爆者は切り捨てられ『原爆地獄』に投げ込まれた。世間から指をさされて人間として扱われず、差別と偏見にさらされた」と憤りを口にしました。

 大塚さん自身も、弟を原爆症で亡くし、甥は被爆二世として初めての犠牲者となり15歳で亡くなりました。「核兵器をなくすまでは意地でも生きてやる」との思いでここまできたと語る大塚さんは、核兵器禁止条約が国連で採択された時、「『ついに歴史は動いたか』と胸を激しく揺さぶられた」と条約採択の感動を語りました。

 大塚さんは「禁止条約が核保有国を政治的、道義的に拘束することは間違いない。条約の持つ力に確信を持ち、『ヒバクシャ国際署名』を今、大きく広げていこう」と呼びかけました。

 総会では、2019年度の運動方針や役員を決め、2020年4月にニューヨークで開催される「核不拡散条約再検討会議(NPT)」に代表を派遣することが決まりました。