「しんぶん赤旗」2019/11/1
長崎被爆地域拡大協議会 「市民と研究者の意見交換会」開催
 爆心地から12`以内で被爆しながら、被爆者として認められない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」は10月27日、被爆地域拡大に向けた「市民と研究者の意見交換会」を長崎市で開き、約40人が参加しました。今回で10回目です。

 被爆体験者の錦戸淑宏氏、長崎県保険医協会の本田孝也会長、長崎総合科学大学の大矢正人名誉教授、健友会上戸町病院の菅政和医師、長崎大学環境科学部の高辻俊宏教授の5氏がそれぞれの分野から報告しました。

 爆心地から9・4`の旧香焼村で1歳2カ月の時に被爆した錦戸氏は、1960年卒業の香焼中学校の同窓生140人の内、約3割がすでに死亡し、平均寿命より10歳若い74歳までに35人が病死(死亡率28.93%、死因は肝臓がん、胃がん、大腸ガンなどが多く見受けられる)。特に67歳以降に死亡者が急増していると報告しました。

 本田氏は、ローマ法王も紹介した「焼き場に立つ少年」の写真についてふれ、少年も被爆体験者だったのではないかと語りました。

 協議会ではこの日の内容を基に厚生労働省と交渉をする予定です。