「しんぶん赤旗」2019/8/30
被爆地域拡大長崎協が市に要請 早急に実現を
 爆心地から12`以内で被爆しながら、被爆者として認められない「被爆体験者」でつくる長崎被爆地域拡大協議会(峰松巳会長)は27日、長崎市に対し、県外居住者や胎児も含めたすべての「被爆体験者」を被爆者に認定することなどを、国に強く求めてほしいとの要請書を提出しました。日本共産党の中西敦信市議も同席しました。

 要請書では▽爆心地から半径12`圏内を被爆地域に指定し、さらに実態調査などに基づく被爆地域の拡大▽ただちに核兵器禁止条約に署名・批准し、国家補償の被爆者援護法制定―の3項目を国に対し強く要請することとしています。

 同協議会の山本誠一事務局長は「もう後がない。10歳で被爆した私も84歳。一刻も早く被爆地域拡大の問題に決着をつけてほしい」と求めました。

 胎内被爆者で原爆手帳を持つ陸門(むつかど)良輔さん(73)は「被爆体験者の中には胎内被爆者が大勢いるが、認められていない。私たちと同じように被爆者として認めてほしい」と訴えました。

 中川正仁・市原爆被爆対策部長は、長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会が7月、厚生労働省に対し、被爆者援護対策に関して要望した詳細を紹介。被爆体験者支援事業の対象合併症にがんを追加することや、被爆地域拡大などを求めたが困難との回答だったと報告。峰会長は「被爆体験者は次々とがんで亡くなっているのに」と国を批判しました。