「しんぶん赤旗」2008/11/23
諌早湾干拓
開門求め漁民ら陳述 
長崎地裁で第3回弁論


 諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門を求める裁判の第三回目の口頭弁論が十日、長崎地裁でおこなわれ、原告・弁護士四人が陳述しました。

 アサリ養殖を営む原告の山口富徳さんは、堤防閉め切りからの漁場の変化と苦しい漁民の生活について述べ、出稼ぎに出ている息子に後を継がせ、家族と一緒に暮らせるようにさせてあげたいと訴えました。

 堀良一弁護士は、国の開門アセスの問題点を指摘しました。

 報告集会で馬奈木昭雄弁護団長は、今回の裁判で「国は言うべきことは何もないと認めた。議論がつくされていることがはっきりしたことは大きな前進」だと強調。
 「あとは裁判所がどう思うかだけ」であり、次回期日に裁判所が意見を表明するよう要請したいと述べました。

 「よみがえれ!有明海訴訟弁護団」が韓国の環境府などが主催する「水環境大賞国際賞」を受賞したことにも触れ、「環境破壊からの再生運動の象徴として諫早が表彰される。今、(開門)実現のみちすじがはっきりした。必ず実現させる。みんなで力を合わせてがんばりぬこう」と呼びかけました。

 堀弁護士は、農水省を協議のテーブルにつかせる運動の必要性を述べました。

 原告・弁護団は裁判後、県諫早湾干拓室を訪れ、「要請書」に対する回答や県発行のパンフレットについての要請をおこないました。