「しんぶん赤旗」2007/2/28
カネミ油症被害者を激励仁比参議院議員
長崎・五島市

 日本共産党の仁比聡平参議院議員は23,24日の両日、長崎県の五島市を訪れ、カネミ油症患者の深刻な実情と、郵便集配局(業務)廃止、「5年後に全廃」とする気象庁測候所の問題について現地調査をしました。
 調査には、ふちせ栄子参院長崎選挙区候補、向原安男、江川美津子両市議が同行しました。

中尾市長(右上)と懇談する仁比氏(正面右端)とふちせ氏(正面中央)
仁比参議院議員が聞き取り
 カネミ事件では、国の仮払い金返還返還免除や医療体制など、被害者への抜本的な救済が対象になっています。
 仁比議員らは、前島地区(旧奈留町)・玉之浦地区(旧玉之浦町)の被害者を出訪ね、深刻な症状や生活苦、非人道的な仮払金返還(下段に用語解説)の切迫さなどを聞き取り、懇談し激励しました。
 中尾郁子市長は、「被害者は苦難の人生をおくっており、私自身の(対応すべき)問題としてとり組んでいる」と述べました。

五島市長とも懇談
配集局、測候所不可欠と語る

 19日に強行された郵便の集配局廃止の影響について、中尾市長は「出荷をゆうパックに頼っている漁業者があり、早朝にできた発送が昼になる。お悔やみのレタックスが間に合わない」など懸念を語りました。
 
 気象庁が全廃しようとしている測候所の役割について市消防本部の平田光弘次長は「台風などの防災対策はもちろん、風向きや強さの情報は火災予防に欠かせない。日々の測候所からの情報は体制配置などにも大きく影響するため業務上不可欠だ」と述べました。

 このほか、仁比議員は、久賀島郵便局や福江測候所を調査、全気象労働組合と懇談しました。

*仮払金返還
 被害者が1970年、企業、国を相手に訴訟を起こし、勝訴して賠償金の仮払いを受けました。その後最高裁で国の逆転勝訴の可能性が出て、被害者は訴えを取り下げ、受け取った仮払金の返還問題が生じていました。