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諫干公金訴訟、住民側が意見陳述
ムダな干拓投資に憤り
「違法な諫早湾干拓農地(七百f)の一括購入に県民の税金五十三億円を投入するな」と、長崎県を相手に七十六人の原告が訴えている「公金支出差し止め住民訴訟」の第一回口頭弁論が六日、長崎地裁(今中秀雄裁判長)で開かれました。
五十人を超える県民が傍聴席を埋め、永田勝美(52)=民医連、大石久仁子(52)=新婦人、吉原壽一(60)=自治労連の三氏が福祉や暮らし、地方行政の立場からそれぞれ意見陳述しました。
永田氏は、国民健康保険制度への県費支援の貧弱な実態や高齢者介護の困難を放置している県政の現実を示し、「数十億円ものムダな投資に憤りを感じる」と陳述。大石氏は「乳幼児医療費の現物給付は四〜五億円でできる」「三百万円あれば諫早地区の県営バス路線を廃止・減便しなくてよい」と、干拓農地購入への大盤振る舞いに疑問を呈しました。
原告代理人の縄田浩孝弁護士は、県の一括的リース管理の真の目的は「干拓農地売れ残りという事態の隠ぺい」と主張。県公社が干拓農地の一括配分を受けるための要件について紫藤拓也弁護士は、「干拓農地を含めた周辺地域の農業構造改善に著しく寄与する」計画が不可欠と指摘。知事が県民に対しては事業の妥当性を強調しながら、原告らの質問には「追って主張する」と、回答不能の答弁書を提出したことに厳しく抗議しました。
傍聴者らからは、「理にかなった迫力ある裁判で確信がもてた」「知事は県庁裏金問題でも隠してきた。県民に隠して黙って通り抜けようとする姿勢は同じ」などの声が相次ぎました。
次回は十二月二十五日です。 |