2006年10月22日(日)「しんぶん赤旗」

核廃絶 被爆地から

地球市民集会ナガサキ始まる


 「平和への願いだけでは変わらない」―。第三回核兵器廃絶・地球市民集会ナガサキが二十一日、長崎市で始まりました。同集会は、市民や長崎県・市などで構成する実行委員会が世界のNGO(非政府組織)などに呼びかけて開いたもの。二十三日までの三日間、全体集会や分科会で討論を深めます。

 開会集会には、八カ国のNGO代表を含む被爆者や市民・約千二百人が参加。長崎の被爆者・下平作江さんが自らの被ばく体験を語りました。下平さんは、十歳のときに爆心地から八百メートル離れた防空壕(ごう)で被爆し、一家は離散。生き残った妹も鉄道自殺をはかり自ら命を絶ちました。「被ばく都市長崎から核兵器は、人間と共存できないという事実を多くの人に伝えていってほしい」。訴えに会場は大きな拍手で応えました。

 土山秀夫実行委員長は、北朝鮮の核兵器保有宣言など核の拡散が大きな問題になる一方で、核兵器の廃絶という本来の最終目標は後景に追いやられていると危ぐを表明しながらも、「被爆地の私たちは、いかなる困難があろうとも国内外の市民や心ある国々の政府と連帯し、必ずや核兵器廃絶への地平が開かれることを確信する」と強調しました。

 集会では、ニュージーランドのフィル・ゴフ軍備管理軍縮大臣が来賓あいさつ。海外NGO代表としてアクロニム研究所のレベッカ・ジョンソン氏(イギリス)、核政策法律家協会事務局長のジョン・バローズ氏(アメリカ)が基調講演。核兵器の廃絶と平和な世界の実現をめざして活動する「高校生一万人署名活動」実行委員会のメンバーらも元気よく取り組みを報告しました。