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見解・主張へ 実態を把握し、偽装請負には厳正な対処を
党県委員会が、長崎労働局に申し入れ
申し入れる寺田書記長(前向き右)と堀江市議  日本共産党長崎県委員会(山下満昭委員長)は、10月19日、今全国的に問題になっている偽装請負への対処などについて、長崎県労働局に申し入れました。

  同局を訪れた、寺田敏之県書記長、山下好丸労働部長、堀江ひとみ長崎市議(県議予定候補)は、国会で日本共産党の市田書記局長の質問などで、違法な偽装請負について県民の関心が高まっているとし、長崎県での実態を掌握して、違法行為には厳正に対処するなど7項目について、申し入れました。
 これに対して、長崎労働局の岩野剛職業安定部長らは、
▼10月から適正化キヤンペ−を実施している。県内大手発注業者6社の自主点検・ 報告を求めている。問題があれば、指導・再指導、再々指導をおこなう。違反があ れば、本省と協議の上公表もある。刑事告発もありうる。
▼県内の大手発注6会社が受け入れている請負事業社数は県内外の1800社である。
▼長崎労働局の派遣業務担当は4人しかいないが、実態把握などに全力を尽くす。
 などこたえました。
 また、長崎県内の請負事業所数は、2004年の114事業所から2006年には260事業所に急増してることも、明らかにしました。

*申し入れの全文は以下の通りです。
長崎労働局
局長 末廣啓子様
                         2006年10月19日
                        日本共産党長崎県委員会
                          委員長 山 下 満 昭
 
 長崎県内企業の偽装請負の実態把握と対策、指導・監督についての申し入れ

 厚生労働省は9月4日、偽装問題一掃に向けて、職業安定行政と労働基準行政が計画的に共同監督を実施する立場から、監督指導を強化する方針を決め、都道府県労働局に通達をだしました。偽装請負問題は日本の社会的大問題になっています。本来、偽装請負は、派遣法、職業安定法に違反する行為そのものです。
 2005年度、全国の労働局が立入を強化し実施したところ、メ−カ−など請負を発注した600社のうち、半分以上の358社が偽装請負に絡む問題が発覚し、文書指導を受けている実態が報告されています。
 最近、偽装請負は、多発しています。たとえば、10月3日、大阪労働局は、製造請負大手の「コラボ−ト」(大阪市北区)に対し、労働者派遣法に基づく事業の停止命令と事業改善命令を出しました。偽装請負で停止命令は初めてのことでした。
 また、トヨタ自動車系部品会社「光洋シ−リングテクノ」(徳島県)での偽装請負をJMIU(全日本金属情報機器労組)徳島地域支部の労働者が告発し、2006年2月に徳島労働局が是正を指導しました。

 労働者派遣を請負のように装う偽装請負が社会問題になるなか、日本共産党の市田忠義参議院議員・書記局長は10月13日、参議院予算委員会で、派遣大手「クリスタイルグル−プ」の受け入れ企業の新資料を提示し、企業の身勝手な違法行為と労働者の労働・生活の実態を告発しました。そして「いまある法律を厳正に活用」することを迫り、安倍首相は「厳格に対応」を約束しました。

 偽装請負の現場に働く労働者は、20〜30才代半ばの青年労働者が多数で、昇級やボ−ナスはほとんどなく、給料は正社員の半分以下で、社会保険の加入させ徹底されていません。劣悪な労働環境・条件を余儀なくされているのが実態です。
 偽装請負の背景には、製造業への派遣を解禁した04年の労働者派遣法の改悪実施以降、製造業への派遣を行う事業所が06年3月までの2年間で13倍の8016カ所に激増したことにあります。

 貴労働局は、厚生労働省の通達にもとづき、発注業者及び請負業者を中心に指導・監督することが決定されています。
 長崎県内の偽装請負の根絶のために以下の内容について申し入れを行うものです。

                    記

1、貴労働局がとりくんでいる長崎県内の製造業の発注者および請負業者の実態把握のとりくみはどうか、県下の労働者派遣事業所(許可・届出)数はどのくらいか、立入調査をおこなったのか、偽装請負の実態把握の現状はどうか、不法行為の企業を県民に公表すること。

2、偽装請負があった企業に指導・監督の徹底の具体策をとること。

3、悪質な違反が認められた事業主に対する厳格な対応を求めること。