「しんぶん赤旗」2006/9/27
干拓農地への税金投入やめ県民の暮らしに
「諌早の会」が宣伝・署名


 長崎県が、諫早湾干拓農地をリース方式にし県民の税金五十三億円を投入しようとしていることで、「よみがえれ!有明海」訴訟を支援する諫早の会は二十三日、JR諫早駅前で街頭宣伝・署名に取り組みました。
 
会員ら十五人が参加し「五十三億円をドブ池に捨てるな」と宣伝カーで訴えビラ約二百枚を配りました。百七十人から「干拓農地への公金支出やめよ」の署名が寄せられました。

 同会の福岡洋一事務局次長は、「農業用水を調整池から取るといっても、岡山県・児島湖では二十年間に五千五百億円を投入してもなお水質は改善しません」「(諫早で)公共下水道が完成しても本明川や二反田川などから田畑の残留肥料は流れ込みます」と、事業完成後も調整池の維持管理に莫大な税金が投入され続けると指摘。

 県は赤字を理由に、諫早市内の通勤・通学、通院に不可欠な県営バス路線を大幅に廃止・減便しようとしており、「県民の税金五十三億円は干拓農地に支出するのでなく、住民生活にこそ使うべき」と訴えました。
 行き交う多くの市民がビラを受けとり、「(リース方式は)本当におかしい」「遊休農地が干拓農地の八倍も九倍もあるのに」などの声が寄せられました。
 来年七月の諫早湾干拓事業完成を目途に長崎県は、七百fの農地を「農業振興公社」をトンネルにして五十三億円で一括買取り、約百の個人や企業・事業団体にリースで貸し付ける計画。「諫早干拓に公金支出をやめさせる会」は八月二十三日、「地方自治体が農地を買い取るのは違法」として長崎地裁に提訴、ムダ遣いをやめさせる住民運動をすすめています。