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原爆症認定訴訟第二陣も口頭弁論始まる
家族にも迷惑をかけている」と涙ながらの訴え
国に原爆症認定を申請し却下された長崎県内の被爆者が、処分の取り消しと精神的苦痛への損害賠償を求めて争っている原爆症認定集団訴訟の口頭弁論が十八日、長崎地裁で行われました。
二十九人が提訴し年度内にも結審が予想される第一陣と、先月新たに五人が提訴した第二陣の第一回口頭弁論が続けて行われました。原告や弁護団、支援者ら四十人が見守りました。
このうち第二陣の第一回口頭弁論では、長崎市内に在住する二人の被爆者と中村尚達弁護士が意見陳述。
爆心地から二・四`で被爆し、数日後に親せきの安否をたずねて爆心地付近に入った前田英明さん(当時十一歳)は、肝臓病、心臓病、糖尿病、白内障、前立腺ガンが次々に発症し、「医者から『原爆の影響の可能性が強い』といわれた」と陳述。「一日も早く国の却下処分を取り消してほしい」と訴えました。
九歳のとき、爆心地から一・八`の浦上川上流で水遊び中に被爆した森田輝彦さんは右半身に大やけどを負いました。熱症瘢痕(はんこん・ケロイド)と、爆風で飛ばされたときの頚椎(けいつい)損傷、涙管断裂にいまも苦しめられ、「気力・持久力がなく、イライラが続き家族にも迷惑をかけている」と涙に声を詰まらせ訴えました。
中村弁護士は、「(国は)松谷訴訟の最高裁判決など、(原爆症認定訴訟で)七回にわたって出された司法判断をまったく無視している。厚生労働省は変わっておらず、行政による司法の軽視」とのべ、被爆者の実態を直視した判断を求めました。 |