北朝鮮の無法なミサイル発射に
厳しく抗議する(声明)
北朝鮮は東海岸の各地から7月5日未明、たてつづけに長距離弾道ミサイル「テポドン2」など7発を日本海に発射した。事前通告なしのこの行為は、航空機や船舶の安全と人命を脅かすものであり、明らかに国際ルールに違反するものである。そればかりか「ミサイル発射のモラトリアム(凍結)」延長を約束した2002年の「日朝平壌宣言」と、2005年の6カ国協議「共同声明」にも反し、国際世論からも完全に孤立する道である。
いわゆる北朝鮮の「瀬戸際外交」路線による今回の無法な蛮行は、いかなる理由があろうとも、絶対に許すことができない暴挙である。厳しく抗議するとともに、今後一切このような蛮行を再び行わないことを強く求めるものである。
北朝鮮はこの行為について「国の自主権に属する問題だ」などと強弁しているが、このような弁明は国際社会に全く通用しないことは明白である。威嚇により自国の国際的地位を向上させるなどという見当違いの態度を即刻改め、国際ルールと「日朝平壌宣言」の尊重の立場にたつべきである。そして、一刻もはやく、6カ国協議による話し合いで、諸問題を平和的外交的に解決し、北東アジアの非核化、平和秩序を実現すべきである。
この事態をうけ、日本政府内部でははやくも「先制攻撃論」ともいうべき「敵基地攻撃能力保有論」が飛び出している。これを米軍基地強化をはじめ日米軍事同盟強化に利用することがあってはならない。それは北東アジアの軍事態勢強化の悪循環を生み出し、軍事的な緊張をいっそう高めるだけである。
長崎県は朝鮮半島のすぐ近くにあり、また、第2次世界大戦と人類史上初めて核戦争による惨禍を体験した被爆県である。県民は「長崎を地球最後の被爆地に」と願い、全世界の人々と手をとりあって世界の平和と核兵器廃絶を一日もはやく実現するために力を尽くしている。
北朝鮮は、いまこそ6カ国協議「共同声明」を真摯にうけとめ、「北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力」に全力をつくすことを強く要求するものである。
2006年7月13日
非核の政府を求める長崎県民の会常任世話人会
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