「しんぶん赤旗」2006/6/28
原爆症認定訴訟第二陣五人が長崎地裁に提訴

「命ある限りがんばりたい」と決意語る

 「ガン、ケロイドなど長年の苦しみは原爆が原因」。国に原爆症認定を申請し却下された長崎県内の被爆者五人が二十六日、却下処分の取り消しと精神的苦痛への損害賠償を求める訴えを長崎地裁に起こしました。二〇〇三年四月、同地裁に提訴係争中(原告二十九人、うち五人死亡)の第一陣に続く第二陣です。

 長崎原爆被災者協議会の支援をうけ提訴したのは、長崎市の末次良昭さんと長谷勝さん、前田英昭さん、森田輝彦さん、南島原市の木下繁さんの五人。
 裁判所には第一陣訴訟の原告や弁護団、支援者ら約四十人がかけつけ提訴を見守りました。

 提訴後の集会で中村尚達弁護団長(第一陣)は、「松谷裁判はじめ大阪地裁での全面勝訴まで、勝利判決がこれだけ続いているのに、国がこれを無視するのは行政による司法の軽視」と国の姿勢を厳しく批判。さらに運動を広げ世論の力で勝訴をと訴えました。

 爆心地から二・四`で被爆・入市した前田さん(当時十一歳)は、ガンを宣告され白内障で片目はほとんど見えません。最初の却下に納得いかず再申請したら、「棄却しておりいっさい受け付けないと通告された」といいます。
 九歳、一・五`で被爆した森田さんは熱症瘢痕(はんこん‖ケロイド)。「爆風に飛ばされ頚椎(けいつい)損傷と涙管断裂の重症、いまも後遺症に苦しめられている」と流れ出る涙をおさえながら訴えました。
 二年前、ガンで「余命五年」と宣告された末次さんは、「命が先に逝くか、先に(原爆症と)認めてもらうか、命ある限りがんばりたい」と、勝訴への強い決意をのべました。