「しんぶん赤旗」2006/06/15
歴史の結晶、憲法守れ
国民投票法案の狙い学ぶ


 「憲法九条が危ない!いま国民投票法案をともに考えよう」と十二日、長崎市の教育文化会館で「市民の集い」が開かれ、長崎活水女子大講師の渡邊弘氏が「『国民投票法案』と憲法九条」と題して講演しました。
 「ながさき九条フェスタ」実行委員会が主催したもので、市民ら約四十人が参加しました。

 渡邊氏は、「いいたいことはただ一つ、改憲のための国民投票はいらない」と言明。提案されている国民投票法案の諸問題は重要だが、いまはそれが本質ではなく「よい国民投票法」をつくることが課題ではないと強調しました。

 同氏は、憲法は「権力者が暴走しないよう市民の側から権力者を縛るためのもの」「歴史への反省の結晶」と指摘したうえで、「いまの改憲要求ブームは支配層や権力者側からの要求であり、『国民投票法案』は権力者のフリーハンドを拡大する改憲を実現するだけ」
「例え国民投票で改憲反対が多数でも、そく自衛隊がなくなるわけではない」と解明しました。

 参加者からは、「憲法がさまざまな民主主義的手段を通じて(権力者に)守らせるものだということがよく分かった」「『改憲に賛成か反対か』の世論調査をどう考えたらよいか」など、質問や意見、感想が相次ぎました。