「しんぶん赤旗」2006/6/13
「三菱は大企業らしい見識示せ」
じん肺原告ら早期全面解決へ宣伝


 三菱長崎造船じん肺訴訟(第二陣)は、被告・三菱重工がじん肺認定制度を否定する「CT鑑定」に固執して審理の長期化をねらうなど、重大な局面を迎えています。

 同訴訟原告団と支援者ら三十数人は十日、長崎市浜町の鉄橋(てつばし)で、「原告全員の救済・早期解決を」求めるビラを配り、「不要な『CT鑑定』の却下」を求めて要請ジャンボはがきへの署名を訴えました。

 ビラは、被告・三菱重工が「CT鑑定」に執着していることについて、「いまも現役労働者を含む多くのじん肺患者がおり、今後の賠償問題への波及を恐れているから」と指摘。「被害者の救済に真摯(しんし)に向き合うのでなく、被害者をふるい落とし責任逃れを図るもの」と批判しています。

 マイクを握った原告らは、「原告患者の死亡が相次ぎ、合併症を併発する患者も増えている。三菱は、大企業らしい見識と態度で全員救済と現場の労働者を大切にする姿勢を示すべき」と訴えました。

 買い物途中の女性や市民が、苦しい息づかいでビラを配る原告患者らに「大丈夫ですか」と声をかけながら要請はがきに署名していました。

 訴訟原告団の佐藤好団長は、「じん肺の苦しみは口ではいえない。原告が亡くなってからの解決でなく、一日も早い公正な判断をお願いしたい」と語りました。
 二十日には、長崎地裁で「CT鑑定」採否の結論が出される予定です。