レッドパージ犠牲者が県弁護士会に人権回復を申し立て

 米軍占領下の一九四九年から五十年にかけて、日本共産党員とその支持者を職場から追放した「レッドパージ」。

 現憲法下の大弾圧で職場を追われた長崎県在住の犠牲者が二十九日、同県弁護士会(水上正博会長)を訪れ、レッドパージによる「解雇」無効と名誉回復の救済を求める申し立てを行いました。

 申し立てたのは藤原重郎氏(79)‖元三菱長崎造船所‖、南嘉昭氏(78)‖元九州配電(九電)長崎電力所‖、吉田次雄氏(78)‖元日本発送電・小倉発電所‖、竹尾一夫氏(81)‖元九州配電(九電)島原営業所‖の四氏。

 申し立て書には、「二十三歳の時でした。下山事件や三鷹列車転覆、松川列車転覆などの諸事件を、日本共産党員の犯行として政府もマスコミもいっせいに喧伝」「『電気事業の公共性を弁(わきまえ)ず妄(みだ)りに左翼的言辞を弄し…』との理由で解雇されました」(南氏)と、当時の社会・政治状況や、それぞれの凄まじい思想弾圧・解雇の状況が記されています。「電気事業経営者会議の不適格者判定基準」や、国連に提出した「訴え」などの資料も添えられました。

 県弁護士会では、「人権擁護委員会(委員長・森永正之弁護士)で預かります」と書類を受け取りました。

 現三菱重工長崎造船所から職を奪われた藤原重郎氏は、「レッドパージという反共攻撃の嵐と時を同じくして公務員の政治活動が禁止され、スト権が奪われた。アメリカ従属政治の根源である日米安保条約もここから始まったことを多くの若い人に知ってほしい」と長年の思いを語りました。

「しんぶん赤旗」2006/3/31