三井松島じん肺訴訟「終結宣言」調印三十億円の和解金
長崎市の池島炭鉱(旧長崎県外海町、二〇〇一年閉山)などで働き、じん肺にかかった元従業員や遺族らが、三井松島産業と松島炭鉱を相手に、加害責任を明らかにし、謝罪と補償、じん肺根絶への取り組みを求めていた「三井松島じん肺訴訟」「西日本石炭じん肺訴訟」で二十日、それぞれ和解が成立。原告らは全体で二百六十四人、和解金は約三十億円余です。
長崎市で「三井松島じん肺問題終結共同宣言」が両関係者によって調印されました。訴訟中に亡くなった十人以上の原告の遺影を最前列に約二百三十人の原告や支援者が見守りました。
席上、三井松島産業の米澤祥一郎社長は「じん肺患者・ご遺族のみなさんに心から弔意とお見舞いを申し上げます。裁判で多大の負担をかけました」と、謝罪と遺憾の意を表し、今後のじん肺防止を誓約しました。
三井松島じん肺訴訟弁護団の熊谷悟郎団長は、「(被告は)いったん和解を拒んだが、その後の長崎地裁判決(昨年十二月)を重く受けとめ和解を決断したことに敬意を表する」と評価、「『宣言』の誠実な履行」を求めました。
三井松島じん肺訴訟原告団と弁護団、全日本建設幸交運一般労組長崎県本部による「全面解決報告集会」で、井上久男団長は「人間の尊厳をかけたたたかいだった。勝利は多くの支援者や弁護団との力の結集によるもの」とあいさつ。いまもたたかわれているじん肺訴訟とじん肺根絶に取り組む「声明」が読み上げられました。