高校生だから感じられることが…
高校生一万人署名実行委員会が初めての「平和シンポ」
「核兵器廃絶と平和な世界の実現」をめざし、活動を続けている長崎の高校生一万人署名実行委員会が十九日、長崎市で「未来と希望を語る|高校生平和シンポジウム」を開き、被爆六十年の活動を振り返り、新たな前進への活動方向を討論しました。
初めての「平和シンポジウム」には、約四十人の高校生が参加。三年生が昨年の活動体験や感想を報告し、「高校生だからこそ感じれることがある」と激励。活動を引継ぐ一、二年生は「不安もあるけどがんばりたい」とこれに応えました。
広島から参加した西迫駿さんは、街頭署名の体験の中から「草の根の取り組みの大切さ、自ら行動することの大切さを学んだ」と発言。神奈川の小檜山なつ子さんは、「被爆地とそうでない地域の温度差を実感した。何とか違いを埋めたい」と、これからも平和活動を続ける思いをのべました。
討論では、長崎と他県の意識の違いが論議となり、宮崎や福岡などの高校生から、「平和学習が中学でへり、高校では全くなくなった」「活動経験を話すことで、友だちが『ニュースを見る目が変わった』と言ってくれた」「高校生は(平和に)関心がないのでなく、体験者の声を聞く機会が少ないだけ」などの意見が出され、活発な話し合いが続きました。
長崎の平湯あゆみさんは、「駆け引きや利害にかかわらないエネルギーがもてる高校生だから、いけないと思ったことはいけないといえるよう、原点を忘れずがんばろう」と後輩にエールをおくっていました。
同実行委は被爆六十年の昨年、過去最高の九万千百七十八人分の署名を集め、高校生平和大使として自ら国連に届けました。長崎の高校生の活動は国内だけでなく、アメリカ、韓国、ブラジルなど世界各地に広がり、「被爆体験だけでなく、アジアの国々の人たちに目を向けた活動をしたい」などの声も出されています。
「しんぶん赤旗」2006/2/21