2003年1月11日(土)「しんぶん赤旗」

長崎違法献金
飛島など3社捜索一部は「ヤミ」?

自民県連に1000万円


 昨年二月の長崎県知事選にからみ、自民党長崎県連の要請を受け、県発注工事を受注していたゼネコンなどが資金提供したとされる事件で、長崎地検は十日、新たに飛島建設(本社東京)、若築建設(同)、奥村組(本社大阪市)の建設三社の九州支店(福岡市)や長崎営業所など七カ所を家宅捜索しました。


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 同地検は昨年十二月に公職選挙法違反(特定寄付の要求禁止)容疑で自民党長崎県連を家宅捜索しており、今回の捜索もその関連です。

 これで、一連の事件で捜索を受けたゼネコンは、十一社になりました。(図参照)

 関係者などによると、三社は二〇〇一年十二月から翌年一月にかけて、県連側に計約一千万円を献金しましたが、一部は政治資金収支報告書に記載されない「ヤミ献金」だった疑いもあり、地検はくわしく調べます。

 自民党長崎県連の政治資金収支報告書(二〇〇一年分)によると、献金の届け出があるのは、若築建設五百万円(十月)、奥村組二百万円(六月)だけで、飛島建設はまったく記載がありません。

 飛島建設と若築建設はヤミ献金について否定、奥村組は「担当者がいないのでわからない」としています。三社とも諌早湾干拓事業の受注業者で、飛島建設は九七年七月、総額六千四百億円の実質的な債務免除を金融機関から受けることで合意しています。

 自民党長崎県連は、知事選を控えた一昨年十一月、東京、大阪などに本社を置くゼネコン四十九社でつくる「県建設業協会長崎中央支部」に「来年は知事選もある。五千万円取りまとめてもらえないか」と要請。県発注工事を受注していた五洋建設など七社の計千九百万円が公選法に違反する疑いがあるとして昨年末、家宅捜索を受けています。

 また、清水建設も「ヤミ献金」の疑いで捜索されました。県連幹事長だった浅田五郎県議は、幹事長職と県議をともに辞職しました。