「しんぶん赤旗」コラム「潮流」も紹介

 「しんぶん赤旗」の2009/10/31付け一面コラム「潮流」は、「もう一つの素顔」を紹介しました。 その全文を紹介します。



 関門海峡で起こった自衛鑑とコンテナ船の衝突。海上保安庁の管制に落ち度があった、と疑われています。第1報を聞き、イージス艦「あたご」の衝突事故を思い出した人も多いでしょう

 ▼昨年の2月、千葉県沖で漁船「清徳丸」を真っ二つに切り裂いた「あたご」は、三菱長崎造船所でつくられました。戦前は軍国日本、戦後は「日米安保」と共に歩んできた造船所です

 ▼「軍国の三菱」を物語る出来事の一つが、原爆投下です。まず標的に選ばれたのが京都。アメリカはその理由に、三菱の兵器工場の存在をあげました。軍都・広島にも、三菱の造船所がありました。

 ▼そして長崎。真珠湾奇襲に使われた魚雷もつくる、日本軍にはなくてはならない造船所が、一瞬にして壊滅しました。詳しくは日本共産党の長崎造船所委員会が先頃出した、『三菱もうひとつの素顔』を読んでいただきたい

 ▼戦後、再建された造船所に日本共産党の支部や労働組合ができました。労働者は、誇るべき「金字塔」(素顔)を数々うちたてます。たとえば、1950年代から60年代へとたたかい続けて実現させた、「臨時工制度」の廃止です。臨時工とはもちろん、今風に言えば非正規の社員です

 ▼切れ目のない逆風に立ち向かい、人間らしい生き方を求め続ける党員たち。『素顔』は、党と労働者のたたかいを活写しながら、百数十年におよぶ三菱の歴史の実像をあぶりだし、会社のあり方、ひいては国のあり方を問います。