諫早湾干拓水門の早期開放と工事中断を

小沢議員が農水大臣あてに申し入れ

 3月27日の農水省の第三者委員会が「水門開放を数年間行い、原因調査をする」と提言したなか、30日、日本共産党の小沢和秋衆院議員は福岡、佐賀、長崎、熊本の各県委員長の連名で、「諫早湾干拓水門の早期開放と工事中断を求める申し入れ」を谷津義男農水大臣あてに行いました。この申し入れには、仁比そうへい党参院比例予定候補が同席しました。

 農水省は「水門を開放した場合の被害のアセスメントの実施には時間がかかる」「どの工事を再開するかは検討中」など、第三者委員会の提言をたてに、水門の開放を引き伸ばそうとする態度に終始。「就労の場については、厚生労働省と4県労働局と連携をとって検討する」と答えました。

 小沢議員らは「秋の作付けに間に合わなければ、漁民は二年続けて不作だ。今の回答では漁民に廃業を宣告するようなものだ。漁業被害がでない方法で水門をすみやかに開けよ」「干潟再生への影響も大きいので工事の中断を」と再度求めました。


諫早湾干拓水門の早期開放と工事中断を求める申し入れ

二〇〇一年三月三十日

農林水産大臣
 谷津 義男 殿

        日本共産党衆議院議員      小沢 和秋
        同 福岡県委員会委員長     安広 和雄
        同 佐賀県委員会委員長     平林 正勝
        同 長崎県委員会委員長     深町 孝郎
        同 熊本県委員会委員長     久保山啓介

 三月二十七日に開かれた農水省の有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会は、諫早湾干拓事業の潮受堤防水門を数年間開放し、原因調査をするよう提言した。
 我々はこの提言に対し一定の評価はするが、水門開放の時期は明らかでなく、このままでは現在の状況がいつまでも続くことが懸念される。次のノリ作付けが始まる今年の秋までに見るべき成果が上がらなければ、ノリ養殖漁民だけでなく漁場の回復を求める漁民の不安の解決にもならない。
 よって、以下のことについて申し入れる。

一、調整池内にたまったヘドロを除去するなど、できるだけ漁業被害が出ないような方法で、今秋の作付けまでに間に合うようすみやかに潮受け堤防の水門を開放すること。
二、水門を開放した場合の漁業被害について補償を行うこと。
三、干潟の再生の障害とならぬよう干拓工事を中断したままにすること。
四、ノリ養殖をはじめとする漁民に対する緊急支援や、工事中断により収入を絶たれる人たちに就労の場を確保すること。
五、堤防のかさ上げや揚排水機の増設等、諫早湾沿岸の防災対策を急いで進めること。