「しんぶん赤旗」2006/11/10に要約掲載
「県庁裏金問題」で党県委員会が見解
重大な知事の責任、真相究明を必ず

 日本共産党長崎県委員会(山下満昭委員長)は九日、長崎県庁の裏金問題と知事の政治姿勢について次の見解を発表しました。
   
裏金問題に揺れる長崎県庁
 ▼新聞報道で明らかになった長崎県庁の裏金問題は、実態が明らかになるにつれ、「苦労して納めた税金がこんな使われ方をしていたのか」と、県民の大きな怒りを呼んでいます。

 知事が七年も前に一億八千万円にのぼる業者への「預け」という裏金の存在を知りながら隠していたこと。その後も裏金づくりが県庁の四十部署に広がり、知事直属の秘書課や人事課も配分を受けていたこと。長崎土木事務所では、職場のゴルフ大会の景品にコメ七万三千円、所長の還暦祝いにゴルフクラブ六万円、人事課への差し入れのインスタントラーメン代六十万円など、でたらめな私的流用も次々に明らかになっています。
 問題の発覚以降、わが党にもさまざまな情報が寄せられており、県の調査発表はごく一部、氷山の一角と思われます。

 ▼ところが、金子原二郎知事はこの裏金を長年隠し続けてきたことを正当化する弁明を繰り返しています。十一月二日の県民向けメールマガジンでは、「問題を隠すつもりではないかとのご指摘もあります。なぜ、結果的にそう受け取られても仕方がない事態に陥ったのか、|経緯とその時々の心情をお伝えしたい」として要旨次のようにのべています。

 知事は、県政が抱えていた問題の改革をすすめるなか県庁で長年やってきた手法・考え方を変えるのはなかなか難しかったと弁解し、「県幹部の説明を聞くうちに、このことは確かに間違った手法ではあるけれども、非常に財政が厳しくなるなかで、円滑に仕事を進めていく上で、このようなやり方もやむを得ないかなとも感じました」と。「長年の慣行を外部から入ってきたばかりの私が、問答無用といった形で、もし処理したとすれば、果たして、それでよかったのかどうか、今でも判断がつきかねています」ともいいます。

 ▼知事の長々とした弁明には、「預け」という裏金づくりが重大な不正であるという認識も、部下まかせにし、内々で処理して県民に隠してきたことについてのお詫びもありません。黙過できないのはこうした弁明を繰り返す一方で、毎年暮らしの予算を削られその犠牲と痛みを強いられてきた県民への思いが一言も語られず、「開かれた県政」を標榜する知事としての責任がまったく感じられないことです。
 こうした知事の政治姿勢にこそ、今日の重大事態を生み出した要因があります。これほどの事態を生み出しておきながらなおこのような認識しかないのでは知事の資格が問われます。

 日本共産党は、国民の税金を分け取りする政党助成金に反対する唯一の党として、県議会の百条調査委員会設置を含む事態の全容解明を求め、県民が主人公の県政実現へいっそうの努力をつくすものです。