総合交通・情報網整備促進特別委員会 2008年8月19日
離島航路の燃油費高騰の影響について

【堀江県議】
  離島航路の燃油費高騰の影響について質問します。今日の長崎新聞で、ジェットフォイルの減便を上対馬で住民説明会をした時に、住民から非常に反発があったという報道があっております。昨日の住民説明会の状況を教えてください。

【西元交通政策課長】
昨日、上対馬、比田勝の方であった住民説明会だと思いますが、九州郵船の社長以下の関係者及び対馬市長及び地方局からは管理部長が出席して、住民大体300人ほどに対し説明会を行っております。
 その内容については新聞にも出ておりますけれども、ジェットフォイル、比田勝から厳原を経由して、芦辺を通って福岡に行く便、2往復ですが、この部分をぜひ残してもらいたいというお話でございます。

 九州郵船側は、現在の比田勝から厳原で降りる方は、実際に年間で200名弱ぐらいしかご利用がございません。比田勝から厳原で降りずに壱岐、福岡で乗られる方はおられるんですけれども。この部分、平成19年度が厳原−比田勝間が197名、これは年間の数字でございます。非常にジェットフォイルというのは油も食いますので、今回はこの部分を引きたいという説明をいたしております。

 これに対して、発言の内容は、ぜひ比田勝発着を残していただきたいと、これについての県とか市の補助はないのかというようなご質問がかなり出ました。

 最終的にはこの件につきましては、九州郵船の社長さんの方から、見切り発車はしませんと、今後とも市と前向きに検討をいたしていきたいと。対馬市長の方からは、地元の人たちと同じ気持ちで協議をしていきたいということで、今回の説明会は一旦終わったように聞いております。

【堀江県議】
  そうしますと、見切り発車はしないと住民へ説明をされているということは、今8月で、10月1日から減便をしたいという説明会をされている中では、一つは今回のこの路線につきましては、住民の合意を十分に得るという方向で進められているという点は確認していいんですか。

【西元交通政策課長】
今の九州郵船の話、我々もヒアリングをいたしましたけれども、十分なご説明をしたいと。ただ、その中で会社の経営内容についてもご説明がありましたが、非常に危ない状態に入っていると。
 油の値段をどうしてもカバーできないという中で、我々の印象としては、少し頑張り過ぎたのかなという印象は持っております。本当に倒れてしまえば、航路が全部吹っ飛びますので、その状況は地元の方にきちんと説明をすべきだろうという話もいたしております。

【堀江県議】
 そこで、離島航路補助制度改善検討会の中では、国は決して離島を見捨てないという積極的な面が打ち出されたという評価をした形での課長の説明がありました。

 しかし、るる、報告を聞いていく中では、じゃあ、実際、離島航路の確保のためにはどんな補助制度が今後考えられるのか、あり得るのかという点では、非常に展望が持てないんですよね、先ほどのやりとりを聞いてもですね。補助対象になる、ならないの問題、新たに参入してもこれは補助対象にならないという問題とか含めてですね。

 減便し、さらにはそのままいくと航路として廃止になる。そこしか見えないのではないかと思うんですが、国が決して離島を見捨てないという立場に立つのであれば、これだけの危機的な状況の中で国はもっと積極的な、島を見捨てないという立場に立った補助制度も含めて制度の拡充や新たな制度の創設も含めて検討すべきだと思うんですが、そこら辺のやりとり、要望についてはどういうふうになっているのか、教えてください。

【清田地域振興部長】
具体策というのは非常に難しいんですけど、中間とりまとめを手元に差し上げていると思いますが、この中で積極的な部分として、航路改善検討委員会を設置するとか、公設民営化を検討するとか、公営航路の民間委託化であるとか、そういった新しい方向性も打ち出しておりますし、少なくとも赤字航路である以上は、補助対象航路であれば、それは国、県でサポートして、航路を廃止するという形にならないようにはやっていくつもりです。

 今問題になっているのは、補助対象外の航路なんですよね。博多−対馬の航路にしても、あるいは長崎−五島、福江の航路にしても、補助対象外の航路なものだから、自助努力でどうしても、燃油の高騰をカバーできない部分についは運賃に転嫁せざるを得ないと。オイルサーチャージですか、バンカーサーチャージという形で転嫁せざるを得ないという、そこが問題なので。

 ただ、そうであってもやはりそれは離島島民にとってつらいですよという話を私どもは、やっぱり離島県として国に対して主張をしてきたところで。

 先ほど言いましたように、この中間とりまとめをどう予算化していくかは、今後、国の課題だというふうに思っております。

【堀江県議】
 燃油費の高騰の問題は、補助対象事業であろうが、そうでないところであろうが、これは同じ状況ですよね。だから厳しいという状況を国がもう少し認識をして、部長は構成員の一人として要望されていることは重々承知しているんですけれども、対応が非常に生ぬるいといいますか、対策がもう少しあってもいいというふうに私は思うんですね。

 でないと、補助対象外だから、要するに手を打てないんだという答弁だというふうに私は認識するんですよ。そうしたらどうなるのというふうに思いますので、私はぜひ、これは住民の足を守るという立場で強く要望したいというふうに思っております。
 最後に、ご見解を伺いたいと思います。

【清田地域振興部長】
  やはり、離島に住んでみないと、このつらさというのはわからないと思うんですよね。そこも含めて、中央の委員の先生方、あるいは国土交通省、総務省の皆さん方にお願いをしてきたところであります。

 県は、長崎県だけではございませんで、鹿児島県とか離島県7県の各部長が出席しておりますので、各部長が同じような方向性で、やはり離島の足を守るということと、離島島民の過度の負担にならないようにということでお願いをしてきた経過がございますので、中間とりまとめの理念の実現に向けて、ぜひご努力いただくよう国に対して強く要望していきたいと思っております。