2008年4月22日 総合交通・情報網整備促進特別委員会
航路対策について
         
堀江県議
 航路対策について質問いたします。
 
 長崎の伊王島、高島にお住まいの皆さんから、離島航路補助金交付対象航路に、長崎〜伊王島・高島航路を位置づけてほしいという要望をいただいております。
 現在、長崎〜伊王島・高島航路は、国の離島航路補助金交付対象航路に該当しない赤字航路で、国からの補助がおりておりません。したがって、長崎県と市で汽船会社の赤字に対する補助を行っています。

 国の補助欠損額の算定方法の中で、標準離島航路の平均単価が高く、現行の長崎〜伊王島・高島間の運賃額が国とすれば安いとの理由で補助対象になっていないと聞いております。
 しかし、片道料金が長崎から伊王島650円、長崎から高島990円で、長崎からわずか19分で伊王島に着き、30分で高島に着くという現状を見たときに、住民の皆さんからは、現在の料金が高いというのが実感です。

 それで、国に対し、標準離島航路の平均単価を引き下げて離島航路が国の補助航路に対象になるようにしていただきたいという要望なんですが、この要望に基づいて質問したいと思います。

 今、地域振興部長の説明で、航路は離島、本土と合わせて51航路あるというふうに言われたんですが、この離島航路補助金の交付対象にすべきではないかという高島、伊王島間の事例というのは、この間にはありますか。

西元交通政策課長
 離島航路につきましては、現在、お手元に資料もあるかと思いますが、29の補助欠損の航路に補助金を出しております。

 その中で委員おっしゃいましたとおりに、国の基準というのがございまして、例えば、一般的なのは燃料費であるとか、それから、人件費であるとか。例えば、船員さんの多い会社は、全国の標準で1つの船に大体船員さんがこれくらいだというふうな基準がありまして、そういう中で今おっしゃいました伊王島と高島については、ご説明のとおり、国の該当基準からいうと、その収入が本来もう少し上がるべきであろうと。

 実際には県といたしましては、現在の運賃額は伊王島にホテルが進出しました時にある程度金額を抑えております、ホテルの事業所さんと話し合いをしてですね。そういう中で国の基準から見ると、やはり賃率と申し上げますけれども、キロ当たりの運賃収入がやはりいってない部分がございます。

 もともとこの補助金は生活航路の補助金でございまして、そういう中で、観光航路に特化するとこの補助金制度自体が成り立ちませんので、現在は生活航路と観光客の多い生活航路という認識で県の補助だけを出しております。

堀江県議
 そうしますと、離島航路が44航路ある中で、国庫補助航路が25航路、県単独補助航路が4航路、この4航路の中に私が今指摘をしました長崎〜伊王島・高島間があるということで、ほかのこの4航路も、これは県単独補助ですから国の補助が受けられないということの理解でいいんですか。

西元交通施策課長
 現在、県の単独の補助を出している航路は4航路がざいます。その中には、例えば、これは離島の補助航路でございますが、実際には西海市の沿岸を通っている、例えば、離島には行っていないんですが、佐世保から西彼杵半島であるとか、これは国の補助には基本的に該当いたしません。ただ、確かに非常に多くの住民を運んでおりますので、県の補助を出しております。
 あと、小さいところでは、全体の利用者数が基本的に基準でとった時に、収入が今度は多すぎて、基本的にぎりぎりで国の計算では黒字になるんですが、県の基準でとった時に、赤字になる分をわずかに出しているという航路というのもございます。
 
堀江県議
 そうしますと、私の質問は、国の標準離島航路の平均単価が下がれば国の対象航路になるのではないかという、この長崎〜伊王島・高島航路のような航路は、県内にはほかにないということですか。

西元交通施策課長
 国が現在定めている基準がもし下がれば、基本的に補助対象になる航路はあると思っております。
 ただ、これは国の予算総額というのがございまして、そこと基準がほぼ連動いたしております。ですから、例えば、予算額が増えたりして基準が落ちて、もっと広く拾える航路事業者がいれば、それは理論的には可能性があると思っております。

堀江県議
 国の標準離島航路の平均単価が下がればこの対象になるというところでは、ぜひ県内の事情の一つでもありますので、今後国に対し、この標準離島航路の平均単価の引き下げを求めていただきたいと、そういう思いも寄せられておりまして、今回質問をさせていただいたんですが、これはもちろん国の問題でありますし、平均単価の引き下げがいわゆる総枠予算の増になるというふうな部分もあるんですけれども、ぜひ長崎県としてもこうした実情をとらえていただいて、国に対し、離島標準航路の平均単価の引き下げを求めていただきたいと、このことをぜひ検討していただきたいと思うんですが、見解をお願いいたします。

清田地域振興部長
 今の航路の国庫補助対象外という話は、一つは賃率が非常に安いと、安いというか、高いんですね。国の基準が高いので、その国の基準の仕方の、航路のキロ数によって賃率が違うわけですけれども、特に30キロ未満という、一番短い航路でも30キロ未満というひとくくりになっておりますので、それは県内離島間であるとか、短い航路はたくさんあるわけで、もっと細分化してほしいという要望もしています。

 国土交通省としては、そういった部分も含めて離島航路の補助のあり方、制度のあり方そのものを昨年から検討をはじめておりまして、関係地方公共団体ということで長崎県も入っております。私も委員として離島航路のあり方について、全国の関係者の皆さん方と、あるいは学識経験者の皆さん方と一緒にあり方については検討しておりますので、今、委員がおっしゃったことについても長崎県の事情として訴えております。
 今、そういった形で国土交通省も制度そのものを見直そうということで検討をはじめていますので、できるだけそういった地域の声、長崎県の声を中央に吸い上げてもらえるように努力をしていきたいと思っております。

堀江県議
 今の地域振興部長の答弁を了といたしまして、ぜひご尽力をお願いしたいというふうに思っております。