2012年  8月定例月議会 (10月15日)

「カジノを含む統合型リゾートに関する法整備の早期実現及び統合型リゾートに関わる人材育成に関する意見書」に対する反対討論


 日本共産党の堀江ひとみです。

 ただいま議題となりました カジノを含む統合型リゾートに関する法整備の早期実現及び統合型リゾートに関わる人材育成に関する意見書 につきましては、以下の理由で反対いたします。

 カジノ運営の必要条件となる合法化の法案は、いまだ国会に提出されていません。これまで構造改革特区法にもとづいて、何件もの「カジノ特区」が提案されてきましたが、カジノは刑法第185条・賭博罪、186条・常習賭博罪で禁止されているとして政府も認めておりません。
 そもそも、カジノが賭博行為として法律で禁止されてきたのは、青少年への悪影響、ギャンブル依存症と家庭破壊、反社会的勢力の介在など、ギャンブルの社会的弊害が、ひろく認められてきたからにほかなりません。
 カジノを合法化することについては、今日なお、国民的合意は形成されていないと判断します。

 意見書では、カジノは季節や時間に左右されることのない数少ない観光資源として、観光産業の振興、雇用機会の創出など、いわば切り札としてカジノ合法化を求めています。

 しかし、カジノ解禁は先ほどから申し上げているように、青少年の育成への悪影響、ギャンブル依存症の増加、治安悪化など社会的にも多くの問題があります。

 カジノが税収を増やして、雇用を創出するとバラ色に描くのは、あまりにも空想的です。
地方財政がいくら大変だからと言っても、カジノ=(イコール)賭博を活用して地域経済を活性化しようとは、本末転倒です。

 カジノに頼る経済活性化策ではなく、中小企業への支援、本県地場産業、第一次産業への支援、産業振興に全力を尽くすことを求めます。

 観光にあっても、カジノを起爆剤とする観光ではなく、長崎県ならではの地形、食べ物、歴史を生かし、地に足をつけた観光行政を求めます。

 本県は、長崎県観光振興条例をすでに制定しています。県議会は昨年2月定例会において、長崎県観光振興基本計画を全会一致で可決しました。

 県民総参加と分野融合による観光の振興。食と歴史・文化の魅力あふれる観光地づくり。ターゲットを明確にした国内誘客戦略の展開。アジアからの外国人観光客の誘客促進。地域の魅力をネットワークする広域連携の促進と、5つの基本政策に基づき、観光振興がすすめられています。カジノはどこにもでてきません。

 カジノの合法化は、現在すすめている観光振興基本計画ともあいいれないことを、指摘いたします。

 以上、反対討論といたします。