【堀江議員】
この第15号議案、さっき私が予算審議の時に指摘をしたんですが、まず、これは事業が3年間延長されたということについては、それはよしとするんですが、私が問題にしているのは、この条例改正が単なる延長だけかということですね。実施要領の改正があったと思うんですが、その点をまず説明をしてください。(「休憩をお願いします」と呼ぶ者あり)
【浅田委員長】
休憩します。
【矢島学事振興室長】
修学支援基金制度につきまして、今、平成26年度まで期間が延長されたところでございますけれども、高校の奨学金事業におきましては、貸与者の増、それから低所得者世帯とか、特定扶養控除の見直しにより負担増となるような世帯に対する貸与額の増額、あと減免制度の導入に係る費用がその基金の取り崩しの対象になったところでございます。ただし、この基金を取り崩すためには、平成24年度以降に期限を設けない返還猶予の制度を導入することが一つの条件になっているというところでございます。
【堀江議員】
その返還猶予ですね。要するに、無利子の奨学金を借りた場合に、これは大学生が導入されたんですけれど、卒業の時点で例えば所得が300万円以下であったら、返還する際に期限はつけませんよというのを大学生については補正予算の中で国は認めたんですよ。しかし、高校生は認めていないんです、国としては。国としては認めていないんだけれども、この高校生修学支援基金でこれも導入するということを、それぞれの都道府県で判断してもいいですよというふうになったんですよ。
だから、私がさっきから言っているのは、単に期間の延長だけじゃなくて、そういう実施要項が変わったんです。それを長崎県としては含めたのかどうかというのを聞きたくて、基金の歳入のことから言っているんですけど、この点について導入しないんですか。いわゆる返還猶予制度、返還するのをちょっと待ちますよと、これは長崎県としては導入しないのですか。
【矢島学事振興室長】
長崎県としてどうなのかということでのお尋ねなんですけども、この奨学金の関係の事業につきましては、これまた所管の話をすると申し訳ないんですが、教育委員会の教育環境整備課の方が奨学金の担当をしております。そういうところで、今、教育委員会の考え方としましては、貸与額の増額とか減免制度の導入については多額の財源負担が伴うということで、基金が3箇年延長はされましたが、その後の平成27年度以降における財源の見通しが立たないということで、制度の導入は難しいんではないかというふうに今お聞きしているところであります。
【堀江議員】
この15号議案は、所管は学事振興室でしょう。確かに、さっきも言ったように基金から繰り入れしても、学事振興室が使い、こども政策局が使い、教育委員会が使うんだけど、この条例にかかわってはここが責任者でしょう。そうであれば、3年間延長しますと、だから、この条例改正をするんですというそういう中身だけじゃなくて、やはり返還猶予の部分というのをもう少し教育委員会が財源確保が難しいからというだけじゃなくて、私はこの部分についてはもうちょっと協議してほしいというふうに思っているんですよ。
少なくとも、国は返還猶予という制度を新たに導入しても構いませんという、事に当たっての国の取り方が違うようにまた変わってきているじゃないですか。全部国に返還せんばいかんとか、そうではないという仕組みに変わってきているんでしょう、違うんですか。
だから、そうであれば、単にこの15号議案の条例改正を、期間が延長しましたと、そういう提案だけじゃなくて、私としては、実施要項の中身の改正も踏み込んでもっと条例の提案をしてほしいというふうに思うんですよ。
そこで、質問を変えます。じゃ、長崎県高校生修学支援基金、今幾らあるんですか。
【矢島学事振興室長】
基金の今年度の残高でございますけども、4億3,318万6,000円の見込みでございます。
【堀江議員】
それは平成23年3月31日の段階で私は6億5,600万円というふうに思っているんですが、4億円というのはこれは新年度の予算を活用した上での話ですか。
【矢島学事振興室長】
平成21年度の末で6億5,500万円の基金の残高でございました。これに平成23年度までの執行分、この取り崩し分を差し引きまして、平成23年度の末ということで4億3,300万円というふうな形になります。
【堀江議員】
財政課の資料によると、平成23年3月31日段階で6億5,600万円になるけど、間違いないですか。
【浅田委員長】
暫時休憩します。
【浅田委員長】
再開します。
【矢島学事振興室長】
3月31日時点で切りますと、ちょっと取り崩しの時期がずれているというところもございまして、4億3,300万円というのは平成24年の5月の部分という形で、その取り崩しの部分が年度を越えた形でやりますので、その残高の部分が少しずれが生じるという形になろうかと思うんですけれども、基本的には平成23年度分の取り崩しを含めると、先ほど堀江議員が言われました6億5,500万円が4億3,300万円になっていくというふうな状況でございます。
【堀江議員】
いつの時点で幾ら基金があるかというのをなぜ私が確認したかというと、この条例は平成24年度新年度から3年間延長しますよという条例改正ですよね。でも、延長しなかったら、これは国に返さなきゃいけないでしょう。だから、幾ら国に返すのかということを考えた時に、私が言った平成23年3月31日で6億5,600万円あるんだと。そしたら、これが全部国に返るんですかという質問をしたくて、基金がいつの時点で幾らあるかという質問をしたんですよ。
そうしますと、私が言う平成23年3月31日で6億5,600万円あるとすると、基金の延長がなければ、この分を返すということになるんですか。その考えでいいのかどうか。
【矢島学事振興室長】
延長は3年間ということで平成26年度の末までという形での延長でございますけれども、最終的にはこの取り崩しとか、いろんな形の精算とかのいろんな事務的なものが発生しますので、平成27年度の6月30日までに返還をするという形での事務的な形の猶予期間といいますか、そういうものが3箇月設けられておるところでございます。
【堀江議員】
室長、今回の改正は平成24年から3年間の話なんだけど、私は先のことを言っていないのよ。今の時点で、今回の延長がなければ、じゃ幾ら基金は返さなきゃいけなかったんですかと、ここからまず確認しているんですよ。それを教えてください。
【矢島学事振興室長】
延長されなかった場合の予定額としては4億3,318万6,000円を返還するという形になります。
【堀江議員】
そしたら、それは今年のいわゆる6月時点ですね。5月で数字が出されましたけれども、要するにいろいろ事務手続をして、今年の6月時点で4億円余り、今の基金がありますと。今回は条例改正で新年度から3年間延長ですが、これが延長されなかったら、長崎県としては4億円余りを返すことになるんですという話ですね。
そうしますと、今回また3年間延長することになるんですが、そういう仕組みは同じですか。それはさっき言ったように平成27年度の6月の時点で判断をするということで、その仕組みは一緒だということで、まず理解していいですか。
【矢島学事振興室長】
同じような取扱いになります。
【堀江議員】
だから、そうなると、結局基金をある意味どう使うかということをやっぱり論議しなきゃいけないというふうに思うんです。
それで、私がさっき言った、今回の改正は単なる期間を3年間延長しますというだけじゃないんだと。返済猶予という制度も都道府県でつくってくださいというのがあるから、これも長崎県として導入したらどうですかと。そして、ここの基金を使って、国に返さなくていいように、それはできないんですかという、それが私の条例改正の質問の趣旨なんです。
そういう検討を単に「教育委員会が、財源があるからできません」という答弁じゃなくて、してくださいよ。これ、学事振興室の責任でしょうが。そういう実施要項まで含めて、私はこの条例改正の提案をしてほしいというふうに思っているので。そこ、わかりますかね。答弁を求めます。
【浅田委員長】
今の質問の意味を踏まえた上でのご答弁をお願いします。(「明快な質問だよ」と呼ぶ者あり)
【矢島学事振興室長】
この期限を3年間延長するに当たりまして、今後その制度を運用していく上での執行の部分について、国の方からは必要な事業について調査がございまして、それについて、今の我々のところで言えば、高校生の授業料軽減補助金の部分について、3年間の延長部分の財源の確保という形で申請をしているところでございます。それに合わせて、それぞれの所管課の方も合わせた形で予算の要求を国の方に対してやっているところでございますけれども、基本的には国の方は3年間延長しますが、長崎県から、各県そうなんですが、要求した部分についてはかなりの額というか、半分ぐらいに今減額をされているところでございまして、基本的に3年間今の状況が続くと、なかなかその執行状況が今の状況でできないと、不足が生じるというふうな事態になっておりますので、我々としてもここ3年間延長されて、きちっと3年間の財源が確保できるように、今後の問題でございますけれども、国の方には改めてまた要望をしていかないといけない、そういうふうな状況になっているところでございます。
【池松総務部長】
補足で説明をさせていただきますが、堀江議員の今のご質問の背景は、基金が余るぐらいなら猶予して拡充したらどうかというのが根本にあると思うんですが、まず、その猶予の問題につきましては、先ほど学事振興室長が答弁したとおり、基金が平成26年度までしかございませんので、その後、仮に猶予することになりますと、返還がずっと遅れてきますから、その間、奨学金自身をどうして回すかということになると、一般財源をつぎ込まなきゃいけないというような問題もあって、教育委員会として、まだそこまで踏み込んでないと。
今回の条例改正につきましては、条文にあるとおり、仮に返還猶予をするにしても条例でうたう必要はないと思っております。条例の第1条で「高校奨学金制度を充実し」ということでありますから、その充実の内容については要項なり要領で一定やっていけばいいと思います。
それで、現実問題として、基金の残高について申し上げますと、先ほど平成24年度予算では1億9,400万円を支出するようにしておりますが、同様に平成25年度も支出すると、この時点で既に基金の残高がマイナスになります。今の予定では基金が足りなくなるという状況でございますので、堀江議員がご指摘の、余るぐらいならという前提も全然立たないと。もう平成25年度から、既に基金が不足する状況を見込んでおるということでございますので、(発言する者あり)そういった基金の状況でございますので、先ほど申し上げた返還猶予云々というような財源手当が明確でない部分なものですから、一般財源をつぎ込むというところまでまだ検討をしていないと。言えば、非常に消極というのは、そういう財源の問題があるということでございますので、ご理解いただきたいと思います。(「わかりました」と呼ぶ者あり)
【堀江議員】
3月31日が6億円あるということから、私は出発しているので、そうであれば、基金残高の見通しといいますか、そこを私が聞くべきだったと思うんですが、そういう質問をできなかった私の力不足だというふうに思っておりますが、理解をいたしました。
ですが、やっぱり私の資料でも授業料を3箇月以上滞納している私学の生徒は、昨年の9月の4校の調査なんですが、2,522人の中で滞納者が68人、うち1人は退学ということで、やっぱり全体の2.7%が滞納をしているという状況があるんですよ。そういう意味では、この高校生修学支援基金をいろんな形で活用してほしいという思いがあるものですから、この条例についての、条例の改正ではないんですけれども、条例に伴うその要項の部分を改めて質問したところです。
条例そのものについては、当然賛成の立場です。
以上です。(「大体わかった」と呼ぶ者あり)
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